アユタヤの遺跡は一箇所というよりも川の内側を中心に、アユタヤの街全体に広がり存在している。大きなものから小さなもの、有名なものから無名なものまで、街の至る所に遺跡がある。
遺跡の他にも、アユタヤには日本人旅行者なら訪れておきたい、日本人旅行者に人気の観光スポットが幾つか存在している。
この記事ではアユタヤ観光を予定している旅行者に向け
▶ アユタヤの観光スポット
を遺跡、日本人町、夜遊びスポット、水上マーケットに分けて紹介していくとともに
▶ アユタヤで泊まるべきおすすめホテル
についても詳しく述べていきたいと思う。
目次
アユタヤの観光スポット
アユタヤの街は川で囲まれた小さなエリア(「たい焼き」の形)、東西約4km✕南北約3kmの部分を中心に、遺跡や日本人町、水上マーケットなどの観光スポットが存在している。
「たい焼き」の尻尾の部分にある駅は鉄道アユタヤ駅(©OpenStreetMapより)。
尻尾の近くには鉄道駅があり、更に東へ行くとアユタヤ・グランド・ホテルがあり、その周辺は繁華街(夜遊びスポット)となっている。
アユタヤ旅行者の多くは遺跡観光を目的としているだろう。加えて、水上マーケットや象乗り、日本人町の他、夜の観光とも呼ばれる夜遊びを楽しみたい人もいるはずだ。
下記ではこうしたアユタヤで人気の観光スポットを含むおすすめの観光スポットを詳しく紹介していきたいと思う。遺跡を含むアユタヤ観光スポットの詳細な場所については下記Google Mapsも参考に。
アユタヤ観光、ホテル地図。右上の枠の記号(拡大地図を表示)をクリックして拡大で表示すると見やすくなる。左上の矢印が付いた枠記号を押すと、おすすめホテル一覧も表示されます。
アユタヤ遺跡
アユタヤはタイ族による王朝、アユタヤ王朝の首都として、1351年から1767年までの417年間栄えていた都市である。ビルマ(現ミャンマー)に滅ぼされるまでは、中国とインド、ヨーロッパを結ぶ国際貿易の中継地点として繁栄、機能していた。
その後、アユタヤ王朝を占領したビルマに代わり、中国系タイ人のタークシンがチャクリー王朝としてタイを掌握した。しかし、アユタヤの町は徹底的に破壊されていたため、アユタヤ再興を諦めトンブリーへと遷都している。トンブリーはタイの現在の首都バンコクにトンブリー区として含まれている。
タークシンがアユタヤ再興を諦めた事からも分かる通り、アユタヤ遺跡の多くは破壊の跡が残っている。現在見ることが出来るのは、その廃墟か元の遺跡を後に復元したものとなっている。
ビルマ軍に頭部が破壊され、持ち去られた仏像が並ぶワット・マハータート。
破壊され落ちた頭部が木の根に取り込まれたもの。顔の表情が戦争の悲惨さを表しているように感じられる。アユタヤ遺跡の中でも有名な観光スポットである。上のGoogle Mapsでは紫チェックの位置。
ワット・マハータートの外国人入場料は50バーツ。
ワット・ローカヤースッター。こちらもビルマ軍に破壊されたが、1956年タイ芸術局により復元された。オレンジの衣は寄贈されたもの。上のGoogle Mapsではピンク・チェックの位置。
道端に現れるため、入場料の徴収は無い。
川より外側にある遺跡などの有名な観光スポットとしてはワット・チャイ・ワタナラーム、ワット・パナン・チューン、ワット・ヤイ・チャイ・モンコンの他、日本人町などがあげられる。
ワット・チャイ・ワタナラーム(Wat Chai Watthanaram)。上のGoogle Mapsではオレンジ・チェックの位置。
ワット・チャイ・ワタナラームの外国人入場料は50バーツ。
こちらの壮大な遺跡群は見ておいて損はないだろう。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン(Wat Yai Chai Mongkhon)。上のGoogle Mapsでは緑チェックの位置。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコンの外国人入場料は20バーツ。
旅行客でもワット・ヤイ・チャイ・モンコンの遺跡へ登ることが出来る。
遺跡ではないが、金運が上がると言われている寺院「ワット・パナン・チューン(Wat Phanan Choeng)」も訪れておいて損はないだろう。
ワット・パナン・チューン(Wat Phanan Choeng)。上のGoogle Mapsでは黄色チェックの位置。寺院の中にある大きな金の大仏。
金運が上がると言われており、外国人観光客よりも地元タイ人が数多く参拝に訪れる。中心地から南にあるため、更に南にある日本人町へ行く途中に訪れても良いかもしれない。
外国人の入場料は20バーツ。敷地に入る際に徴収される。
アユタヤ日本人町
アユタヤ日本人町は14世紀中頃から18世紀頃まで、タイ族に同化し自然消滅するまで存在した日本人が住んでいた町である。現在は日本人町跡として石碑があり、石碑には「アユチヤ」の文字がある。
川の外側から南へ離れた位置にある。上のGoogle Mapsでは紺色のチェック。
敷地内には日本庭園も作られ、今でもきちんとメンテナンスがなされている。
現在の日本人町跡地には様々な資料の展示や紹介がなされており、当時の日本人の生活を知る事も出来る。アユタヤへ来たなら、ついでに訪れたいエリアである。
入場料は50バーツ。以前は無料だったが、メンテナンスや資料館に配置されている職員への人件費を考えれば、入場料の徴収はやむを得ないかと思う。
営業時間は8時~17時まで。17時以降は敷地内に入れても、建物内の見学はできない。
アユタヤ日本人町にかんして歴史的な情報を含み、更に詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

歴史的な繋がりは途絶えたが、現在はアユタヤにあるロジャナ工業団地に日本企業が入居している。従って、アユタヤには日本人も住んでいる。こうした日本人相手にバンコクのタニヤにあるようなカラオケ街も作られている。
夜遊びスポット
アユタヤ・グランド・ホテル周辺の繁華街。日本食レストランや日本人向けカラオケが並ぶエリア。中央奥に見えるのはアユタヤ・グランド・ホテルの新館。
アユタヤといえば一般的に遺跡のイメージが強く、世界的にも遺跡の観光地として知られている。アユタヤ遺跡を回っている時は若い女性や学生団体も多く、タイのビーチリゾート地とは明らかに異なった目的の楽しみ方をしている人達が多い。像に乗ってアユタヤ遺跡を周り、マッサージでリラックスといった楽しみ方もアユタヤならではである。
だが、アユタヤをよく知る人からすると、昼だけではなく、ビーチリゾート地と同様に夜も楽しめる観光地だそうだ。実際自分も古都アユタヤという街において、ここまでカラオケ店や置屋など夜の店が多いのは驚いた。
日本人向けカラオケが営業している通り。アユタヤ・グランド・ホテル周辺には10軒程度の日本人向けカラオケ店がある。
2011年におけるタイの洪水でアユタヤから多くの日本企業が南部への移動した。従って、全盛期に比べるとこうした日本人向けカラオケ店は減っている。それでも現存日本人、中国人を含めた日本人以外の客に支えられ、何軒かのお店は生き残った。
日本人向けカラオケ店の他、大型ディスコ、地元タイ人を主なターゲットにしたローカルカラオケ店や置屋もここグランドホテル周辺には多い。
夜遊びスポットとしてのポテンシャルは高く、夜遊びはバンコクよりもアユタヤという人も多い。
アユタヤの夜遊びにかんして詳しくは下記記事を参考に。

アユタヤ(アヨデヤ)水上マーケット
タイには有名な水上マーケットがいくつかある。特にバンコクから日帰りで行くことも出来るアンパワー水上マーケットやダムヌンサドゥアック水上マーケットなどは有名だろう。
アユタヤは世界遺産としてアユタヤ遺跡が有名ではあるが、近年観光客向けに水上マーケットも開発された。アユタヤの水上マーケットは川や運河に作られたものではなく、人工的な水路である。
入場料は200バーツ。入場料にはボートトリップとショーの値段も含まれている。
ダムヌンサドゥアック水上マーケットのように、ボートに乗りながらショッピングや食事を楽しむスタイルではない。水上マーケットでは、徒歩で回って楽しむような作りになっている。
アユタヤ水上マーケットに並ぶお店。地元小中高生の遠足の場所としても使われている。
アユタヤの水上マーケットに隣接して、エレファント・ビレッジ(Elephant Village)と呼ばれる象へ乗りながら周辺の遺跡を回るサービスを行っている場所もある。
ちなみに、アユタヤは昔アヨデア(Ayodia)と呼ばれており、この水上マーケットもアヨデア水上マーケットが日本語での正式名称となっている。
アユタヤ水上マーケットについて更に詳しくは下記記事を参考に。

アユタヤで泊まるべきおすすめホテル
アユタヤ遺跡を観光するのにおすすめのホテルとしては、観光における移動が楽な中心エリアにあるのはもちろんのこと、ホテル周辺にレストランなども揃っている利便性が高いエリアが良いだろう。
下記ではカップルや家族、もしくはバックパッカー向けのアユタヤ観光の際におすすめできるホテルを紹介したいと思う。
サラ・アユタヤ(sala ayutthaya)
サラ・アユタヤ(sala ayutthaya)はアユタヤ中心部のリバーサイドで営業しているホテルである。上のGoogle Mapsでは水色ホテルアイコンの位置にある。
ホテルの目の前にはチャオプラヤ川が流れ、川の向こうにはワット・プッタイ・サワン(Wat Phutthai Sawan)がある。レストランや一部の部屋ではこうした遺跡を望むことが出来る。
ホテルはアユタヤ中心部南の大通り「ウトン・ロード(Uthong Rd)」沿いにあり、ホテル周辺にはレストランからコンビニの他、病院がある。病院前にはトゥクトゥクが多数待機しているため、移動の際にも便利である。
待機しているトゥクトゥクとは値段や片道での移動交渉も可能なので便利である。夕方以降は待機しているトゥクトゥクもいなくなる。それでもホテル前のウトン・ロードは他の場所に比べ、トゥクトゥクが捕まえやすい。
ホテル敷地内の通路。白と茶色を基調とした石造りのオシャレなホテルで、客室にも統一感が出ている。
通路を抜けるとリバーサイドのレストランにぶつかる。
リバーサイドのホテル客室。窓の外には遺跡が広がり、まるで絵画のような景色である。
新しい上に清潔であり、2人での滞在なら十分な広さかと思う。
シャワースペースの他、バスタブもある。シャワーの水圧も強くて良かった。
大通り沿いの割りと便利な場所にあり、トゥクトゥクも夜まで待機しているため移動の際にも便利なホテルである。
正確な値段は下記のリンク先に日付を入れるだけでチェック出来るので、値段を比較するために予め見ておいた方が良いだろう。
リバーサイドの部屋は少々値段も高くなる。ただし、2人まで同じ料金で泊まることが出来るため、そこまで負担は大きくないだろう。カップルや家族でのアユタヤ旅行者におすすめのホテルだ。
トニーズ・プレイス・ベッズ & ブレックファスト(Tony’s Place Beds & Breakfast)
トニーズ・プレイス・ベッズ & ブレックファスト(Tony’s Place Beds & Breakfast)はバックパッカーが集まるエリアで営業するホテルである。上のGoogle Mapsでは茶色ホテルアイコンの位置にある。
ホテル周辺にはレンタルサイクル屋やレストラン、旅行代理店などのお店が充実している。バンコク行きのロットゥーが出ているのもこのエリアだ。
右に見えるのがレンタルサイクル屋。このまま南へ数十メートルの位置にはバンコクからアユタヤ行きロットゥーの到着地があり、アユタヤ発のバンコク行きロットゥーもここから出ている。
ホテル1階はレストランになっている。時期にもよるかと思うが、数多くの欧米系バックパッカーがいた。
シングルルーム。決して新しくはないが、木の作りで温かみがある。
洗面所、シャワールーム。シャワールームのすぐ前が駐車場になっている。女性など、人通りが気になるようなら、部屋の場所は希望を出した方が良いだろう。
立地だけでなく値段的にも、バックパッカーのアユタヤ観光には最適なホテルかと思う。
正確な値段は下記のリンク先に日付を入れるだけでチェック出来るので、値段を比較するために予め見ておいた方が良いだろう。
>>> トニーズ・プレイス・ベッズ & ブレックファスト(格安ホテル予約サイト)
エクスペディアでは空室が確保できていないケースが多い。従って、満室の場合はアゴダでもチェックした方が良いだろう。
>>> トニーズ・プレイス・ベッズ & ブレックファスト(Agoda)
シングルルームなので1人分の料金で大人2人まで同じ部屋に泊まることが出来る。決して広くはないが、節約旅行をしている人には悪くない環境かと思う。
便利な立地にあり、アユタヤでゲストハウスを探している人におすすめのホテルだ。
アユタヤでホテルを予約する前に知っておくべきことについては下記記事も参考に。

こちらの記事ではカップルやバックパッカーに限らず、夜遊び旅行者、出張者向けのホテルも紹介している。
タイにおけるおすすめ観光地
ウトン・ロード(Uthong Rd)に並ぶアユタヤのお菓子「サイマイ」のお店。絹糸状のサイマイをロティと呼ばれるクレープのような記事に乗せ、丸めて食べる。
アユタヤ遺跡はドラゴンクエストやファイナルファンタジーにあるゲームの世界を彷彿させる。こうした街全体に広がった遺跡は、日本はもちろんバンコクでも味わえないような非日常を感じさせる。
タイ旅行における観光の目的は人それぞれで一概にいえない部分も多い。しかし、このアユタヤは幅広い需要に答えるだけの魅力がある。歴史や遺跡好きの人でなくとも、十分に楽しめる要素があるはずだ。
場所もバンコクからも1時間とちょっとで行ける距離にあり、アクセスも悪くない。

近々タイ旅行に行かれる方はこのアユタヤ観光も日程に組み込んでみてはいかがだろうか?
アユタヤへの格安日帰りツアーにかんしては、タイの現地格安オプショナルツアーのページを参考に。アユタヤ水上マーケットも回ってくれるものや象乗りが含まれているものなど、アユタヤ行きの様々な現地ツアーがある。
現地のマイナーな旅行会社のツアーだと、ボッタクリや予定していたサービスが受けられなかったというクレームも良くある。心配であれば日本から現地ツアーを申し込んでおいた方が良いだろう。遺跡に関して更に深く理解をしたい人は日本語ガイド付きのツアーがおすすめだ。
アユタヤ遺跡を観光する前に知っておくべき情報については下記記事を参考に。
