LCCはローコストキャリア(low-cost carrier)の略で、格安航空会社を指す言葉である。座席の間隔を狭くし、一度に乗せる事ができる乗客数を増やしたり、機内サービスや委託荷物を有料とするなどをして、より安く航空券を提供している航空会社である。
日本とタイ間で就航しているLCC、タイ国内でのみ就航しているLCCはいくつかある。それぞれ価格やサービス、就航区間で差別化しようとしている。
この記事ではタイ旅行でLCCを使いたい人に向け
▶ 日本からタイへ行くLCC
についておすすめのLCCから紹介すると共に
▶ タイ国内の移動で使えるLCC
▶ タイへと最安値で行く格安航空券を手に入れる方法
まで詳しく紹介していきたいと思う。
航路ごとのLCCにおける具体的な料金は格安航空券検索サイトで
1.出発地
2.目的地
3.出発日
4.現地出発日
5.人数
6.往復or片道
を入力するだけでチェックすることが出来る。
目次
日本からタイへ行くLCC
日本からタイへの経由なし直行便は2018年8月現在、東京、大阪、福岡、名古屋、札幌、沖縄の6拠点から出ている。いずれも直行便はバンコク行きのみである。
このうちLCCは東京、大阪、札幌、沖縄から就航している。それぞれの都市から出ているLCCを紹介すると
1.東京からバンコク
・スクート
・ノックスクート
・エアアジア(エアアジアX含む)
2.大阪からバンコク
・スクート
・エアアジアX
3.北海道からバンコク
・エアアジア(エアアジアX含む)
4.沖縄からバンコク
・ピーチ
以上のようになっている。
飛行時間は航空機によっても若干の違いがある。直通便だと、東京からバンコクまでは6時間から6時間半、大阪からバンコクまでは6時間程度になる。飛行時間中眠っていればそこまで問題はないが、この時間が苦痛だという人も多いだろう。
札幌からバンコクは7時間、沖縄からの飛行時間は4時間半となっている。
経由便になるが、大阪からは台北経由のタイガーエアが出ている。台北は日本とバンコクのちょうど中間地点にあるため、空路のロスが少ない。日本から台湾まで3時間、台湾からタイまで3時間程度となり、間に空港での休憩時間を挟むことが出来る。直行便ではないが、こちらを選択肢にいれるのも悪くはないかと思う。
下記ではスクート、エアアジア(エアアジアX含む)、ノックスクート、ピーチ、タイガーエアそれぞれの航空会社についておすすめ順に紹介したいと思う。
スクート(Scoot)
スクートは2015年7月より関西国際空港からバンコク間の直通便を運行を始めた新しいLCCである。そのため機体も新しく座席に若干の余裕がある。現在は関西国際空港だけでなく、成田空港からもバンコクへの直通便を出している。格安航空券で検索すると、エアアジアと最安値を争っていることも多い。東京、大阪からは空港税、サーチャージ代全て込みで往復3万円以内でも行くことが出来る。
また、無料で機内に持ち込める手荷物が10kgまでとなっている。他のLCCは7kgのところも多い。この3kgが意外と大きいのは頻繁に飛行機へ乗る人ならわかるはずだ。
追加料金を払えば、30~50%更に足元が広い席の指定やサイレントゾーンと呼ばれ、前方で隔離されたエリアを選ぶことが出来る。これらの席はレガシーキャリアと呼ばれるようなLCC以外の航空会社の座席よりも広くて快適である。
座席の幅や機体の新しさなど、サービスを含めて総合的に比較すればエアアジアよりもおすすめのLCCかと思う。
スクートが他の格安航空会社よりもおすすめである詳しい理由などについては下記記事を参考に。

スクートのホームページ
ノックスクート(NokScoot)
ノックスクートはスクートよりも新しく、2018年6月より 成田国際空港からバンコク間の直通便を運行を始めた新しいLCCである。
こちらも空港税、サーチャージ代全て込みで往復3万円以内でも行くことが出来る。
サービスを含め、スクートと大きな違いはない。ただし、スクートとは違い、無料で機内に持ち込める手荷物が7kgまでとなっている(ラップトップPCは+3㎏まで許容される)。
ノックスクートのホームページ
エアアジア(AirAsia)
エアアジアはタイにおいて最も有名で利用者の多いLCCである。国際線としてはタイ・エアアジアX、国内線はタイ・エアアジアが主に運行している(他にはエアアジア、エアアジアXがある)。
日本-タイ間の直通便はタイ・エアアジアXとなっている。現在タイ・エアアジアXは東京の羽田、成田、大阪の関西国際空港、札幌の新千歳空港で運行している。東京、大阪からは空港税、サーチャージ代全て込みで往復3万円以内でも行くことが出来る。
タイ・エアアジアXによるバンコク-札幌路線はオフシーズンで3万円から4万円になっている。
機内持ち込み手荷物は7kgまで、荷物の数は2つまで。。
エアアジアは格安でタイへ行きたいという需要に答え、JALやANA、タイ国際航空からシェアを奪っている。日本からタイ、タイから日本へ来る際に乗る飛行機として、エアアジアを選択する人はこれからも増えるだろう。
エアアジアで更に安くタイへ行く方法に関しては下記記事を参考に。

エアアジアのホームページ

ピーチ(Peach)
大阪を拠点とするANA系列のLCCである。沖縄からバンコクへの直行便が2017年2月から運行している。
沖縄からバンコクは飛行時間が4.5時間であることに加えて、航空券も往復2万円から3万円と格安になっている。
沖縄に住んでいる人はもちろん、沖縄経由でバンコクへ行きたい人にもおすすめの航空会社である。東京から沖縄まではバニラエアといったLCCが運行している。
身の回りの品を除く、荷物で1個7kgまで機内持ち込みが可能となっている。
ピーチのホームページ

タイガーエア(Tigerair)
タイガーエアは2013年12月に出来た台湾のLCCである。タイへの直通便は無いが、台湾経由でタイへの格安航空券を提供している。
経由便になり少々時間はかかるが、エアアジアよりも安い価格で航空券が販売されている時期もある。また、台湾で軽く観光してからタイへ行きたいと思っている人は選択肢の1つとして検討しても良いだろう。
大阪からの台北経由バンコク行きは空港税、サーチャージ代全て込み往復3万円から5万円で行くことが出来る。
また、機内持ち込み手荷物は2個10kgまでとなっている。
タイガーエアのホームページ
タイ国内の移動で使えるLCC
タイ国内での移動でもエアアジアが就航都市、就航数ではリードしている。ただ、価格の面ではタイ・ライオンエアやベトジェットも選択肢に入るだろう。
タイ国内で運行するLCCの最安値は格安航空券検索サイトで
1.出発地
2.目的地
3.出発日
4.現地出発日
5.人数
6.往復or片道
を入力するだけでチェックすることが出来る。ちなみに、「出発地」「目的地」を入力する際、カタカナ化しただけでは都市が選択できなくなっている。例えば、ウドンタニはウドーンターニーもしくはUTHで入力しないと、検索することが出来ないので注意。
下記ではこうしたタイ国内旅行の移動の際に知っておくと便利なLCCをエアアジアを除いて紹介したいと思う。
タイ・ライオンエア(Thai Lion Air)
国内線は10kg、国際線は20kgまで受託手荷物が無料というサービスを行っている。5kg追加ごとに国内線は250バーツ、国際線は500バーツの追加料金がかかる。
エアアジアの機内持ち込みの制限にかかる7kgを越えたり、大きいサイズの荷物を持っている場合、エアアジアが就航していないルートで都市間を移動したい場合などではタイ・ライオンエアも選択肢に入るだろう。
タイ・ライオンエアのホームページ
(日本語には未対応)
ベトジェットエア (Vietjet Air)
ベトジェットエア (Vietjet Air)はベトナムのLCCである。
タイ国内の路線数ではエアアジアに負ける。ただ、ベトナム国内はもちろん、タイとベトナムを結ぶ路線数ではエアアジア以上に多い。
また、タイ国内の路線でも、価格ではエアアジアより安くなっていることもある。
ベトジェットエアのホームページ
ノックエア(Nok Air)
エアアジアと多くの路線で競合するが、サービスや価格で差別化を図っている。
例えば、機内ではパンと水のサービスもあった。
ちなみに、ノックエアーの「ノック」とはタイ語で鳥の意味である。飛行機の機体にも鳥が描かれている。
ノックエアのホームページ
(日本語には未対応)
バンコクエアウェイズ(Bangkok Airways)
厳密にはLCCではない。ただ、LCCと競合しているのでバンコクエアウェイズも紹介する。
バンコクエアウェイズは日本への直通便や地方都市間のルートでエアアジアと競合するが、エアアジアが就航していないようなタイの人気観光地や都市間での運行もしている。
また、搭乗前のロビーでバンコクエアウェイズの乗客に無料でポップコーンやスイーツ、水、ドリンクを提供するといったサービスもしている。
バンコクエアウェイズの乗客は無料。青がカラーになっているバンコクエアウェイズの制服。
バンコクエアウェイズのホームページ

(日本語には未対応)
タイへと最安値で行く格安航空券を手に入れる方法
LCCの航空券価格は「空席連動型運賃」になっている。これは予約時に空席数が多いほど、価格が安くなる仕組みである。キャンペーンなどの特例の除けば、早めに予約した方が安くなるだろう。逆に、出発日間近になってから予約しようとすれば、通常の航空会社と変わらないぐらい高くなっていることもある。
LCCで安く行きたければ、遅くとも1ヶ月から2ヶ月前には予約すべきだ。
また、航空券の他にもホテルを予約する人は格安航空会社のホームページよりもLCCが予約できるホテル予約サイトで航空券の予約をすべきだ。
LCCが予約できるホテル予約サイトで航空券の予約をすると片道600円、往復で1000円の手数料が取られてしまう。
しかし、航空券の予約をした人を対象にホテル代の割引を与えている。この割引が非常にお得であり、航空券の予約で支払った1000円程度の手数料を十分に取り返すことが出来る。
航空券を予約した人(片道でもOK)に10日程度の割引期間限定セールがなされる。これが他のホテル予約サイトとは比べ物にならないぐらい安くなっている。
航空券を予約した後に、ホテルの予約ページに入ると、下記のように割引や特典が適用されるホテルが並ぶ。緑のバーが目印となる。10~30%の割引が適用されるホテルはタイ・バンコクでは半分以上になった。
宿泊料金の割引だけでなく、レイトチェックアウト(数時間遅いチェックアウトの事で、例えば、2時間のレイトチェックアウトが可能なら、本来12時までのチェックアウト時間が14時まで延長となる。)が無料で付いてくるといった特典もある。
もちろん、LCC以外の航空会社でも割引は適用される。
経由便なら東京、大阪、札幌、沖縄といった直行便が運行している空港だけでなく、名古屋や福岡といった地方都市の空港からも安くタイへ行くことが出来る。中国東方航空やベトナム航空等の選択肢が出てくるだろう。経由便はLCCの「空席連動型運賃」とは異なり直前でも安くなっている。
ホテルを予約する予定の人は下記サイトからの航空券予約で間違いない。
タイまで最安値で行けるツアーやLCCの組み合わせた予約方法について、詳しくは下記記事も参考に。

以上の情報は2018年8月現在で確認出来たものである。タイへの直通便は新しく就航する都市が増える一方で、廃線になる所も出ている。そうでなくとも最安値で行ける航空会社は今後変化する事もあるだろう。それを踏まえた上で参考にしていただければ幸いである。