ドレスコードのあるバンコク・王宮(Grand Palace)での欧米系観光客の服装。半袖、長ズボンが基本で女性も肌を露出し過ぎてはいけない。
基本的に、タイ旅行における服装は日本の夏場と同じもので問題無いかと思う。その上で、冷房対策のためだったり、ドレスコードのある店や寺院に行く用、ビジネスであれば会社に合わせ服を用意しておけば良い。
この記事ではタイ初心者向けに
▶ タイにおける気候の簡単な紹介
から
▶ タイにおける服装
としてスマート・カジュアルを中心としたドレスコード、おすすめの服装及びタイ観光において注意しなければならない赤、黄色、迷彩柄など服装について詳しく述べていきたいと思う。
タイの気候
タイは北部を除き、年の平均気温が30℃を越える常夏の国である。特に4月、5月は35℃以上になる日も珍しくない。この4月の暑い時期に、ソンクラーンという水掛け祭りが行われることからもわかるかと思う。

ただ、冬場の12、1、2月はバンコクで20℃前後、チェンマイ等の北部の都市では15℃ぐらいまで下がる日も多い。夜は特に冷えるので、半袖半ズボンでは肌寒くなる日もあるかと思う。
タイにおける服装
このように述べると、冬場以外は半袖半ズボンなど日本の夏場と同様の服装で良いと思うかもしれない。しかし、タイでは建物内や移動に使うバス等が外に比べて極端に寒くなっている事が多い。
タイへと向かう中華系航空機だったり、LCCでも冷房が強めのところがある。LCCは毛布も有料なので、予め上着を機内へと持ち込んでおいた方が良いだろう。タイへ行くまで、行ってからも場所によっては羽織るものを1枚用意しておくと便利だ。
タイにおけるドレスコード
バンコクの人気観光スポット「王宮」のドレスコード。上は肘ぐらいまで隠れる服装であり、ノースリーブは不可。男性は七分丈のズボンも不可。女性はロングスカートまでOK。
バンコクにはドレスコードと呼ばれ、一定の服装規定を満たさないと入場が禁止される場所がある。こうしたドレスコードは
▶ 寺院や王宮など一部観光スポット
▶ スカイバー
▶ 高級クラブ
等で採用されている。旅行者によってはこうしたお店に一切入らずに旅行期間中を過ごす人もいるが、スケジュールを組む段階で訪問を予定しているならば別途ドレスコードを満たすような服装は用意しておいた方が良いだろう。
スマート・カジュアル(Smart Casual)
タイでドレスコードの要求される場所では多くがSmart Casual(スマート・カジュアル)と呼ばれるドレスコードが採用されている。下記に参考画像を添付するが、正装よりも多少カジュアルな服装が許されているのもわかるだろう。
スカイバーのドレスコードで禁止されている事をあげると
▶ 運動着、スポーツユニフォーム、ダメージパンツ、スリッパ、ビーチサンダルは不可
▶ 男性は袖なしの服、ショートパンツも不可
上の写真では、真ん中の男性の格好(ハーフパンツ)は避けた方が無難。左から2番目の男性の格好もズボンが七分丈なので、場所によっては入店を拒否されるだろう。
▶ 女性は体のラインが出たり、露出度の高いセクシーは服装は不可
上の写真では、真ん中の女性の格好(ハーフパンツ)、膝上までしかないスカートは避けた方が無難。七分丈のズボンやロングスカートは問題無い。
スマートカジュアルの場合、男性は袖付きシャツと足首まで隠れるズボンを履けば基本的には問題無い。女性も男性より緩いが、細かな判断はレストランに入る前のスタッフが決めるので、無難な格好の方が良いかと思う。
ドレスコードのある店でも、Tシャツスタイル、短パンの男性や過度に露出した服装の女性がいる事もあるが、そういった客は例外だと思った方が良い。VIPだったり、支配人の知り合いだったり、たまたまその日だけ店のチェックが甘かったり等、そうした客がいる理由は様々である。
いずれにせよ、ドレスコードが要求される場合、店ごとの規定が決まっているので、その都度確認するようにして欲しいと思う。
タイ旅行におけるおすすめの服装
ドレスコードは一部の店や観光スポットに限られるので、常に気にする必要はない。どのような旅行プランにするのかにもよるが、基本的にタイの気温は30℃以上と暑く汗をかきやすい。また、日本のようにしっかりと舗装されている道は殆ど無く、スコールも多いのでズボンは泥などで汚れやすいと思った方が良いだろう。
こうした理由から、日中はスポーツウェアに使われるようなナイロンやポリエステル生地がおすすめである。
スポーツウェアは自分で洗う場合も、洗濯乾燥がし易い。汚れが付きにくく、落としやすいという利点もある。
ただ、ドレスコードが要求される店には入れないし、こうした格好は似合う似合わないがあれど、決してオシャレとは言えない。従って、夜遊びをする時には別途オシャレな服装に着換えた方が良い。
夜は日中と違い日差しも無いし、気温も比較的涼しくなって過ごしやすくなる。汗ばむほど暑い時もあるので、実用性と見た目どちらを重視するか考えた上で服装をチョイスしてほしい。
タイ観光において注意しなければならない服装
ビーチリゾート等では水着姿だったり、露出度の高い格好をしている人も多いが、タイの観光地、特に寺院ではドレスコードは無くとも、露出度の高い服装は控えるようにしよう。日本の夏並に暑いことが多いが、水着姿はもちろん、タンクトップに短パン姿、女性もミニスカートは避けた方が良い。
ドレスコードの無い寺院が殆どであるが、こうした「過度に」露出をした格好はマナー違反として地元タイ人達からは白い目で見られる事は間違いない。
お坊さんは女性への接触が許されないなど厳格な仏教の規律を守って生活している。特に女性は注意して欲しいと思う。
赤、黄色、迷彩柄の服
タイでは政治的に2つの勢力が対立している。それらはタクシン派と反タクシン派(国王派)に分かれているが、それぞれシンボルカラーがあり、タクシン派は赤、反タクシン派は黄色となっている。
タクシン派の集会。シンボルカラーは、タイの国旗の中にもあり、国民の団結心と国家を表す赤である。
反タクシン派がバンコクの空港を占拠した時の写真。タイでは曜日ごとに色があり、月曜日は黄色となっている。ラーマ9世(プミポン国王)の誕生日の曜日が月曜日であることから、王室護持を掲げている反タクシン派のシンボルカラーは黄色になっている。

2017年現在のタイも平和に見えるが、国軍が政権を掌握しているクーデターの状態であり、こうした2つのグループによる表面上の対立構造は影を潜めている。ただ、デモなどが頻繁に行われていた時はこのようなカラーの服を避けるように日本大使館からもアナウンスされていた。対立する相手グループから爆弾が投げ込まれたり、攻撃の対象とされる事があったからである。
デモなどに加わった人は未だにカラーを気にしている人もいるので、避けることが出来るなら、こうした赤や黄色のカラーは避けた方が良いだろう。
気にしない人も増えてはきているが、迷彩服もファッションとして捉えてくれる人は少ない。タイは徴兵制であり、軍に入ることがより一般的である。迷彩柄から軍隊を連想する人も多く、ファッションとして着ている事に抵抗のある人もいるかと思うので、避けた方が良いだろう。
タイ旅行では服装以外にも持参して行くべき持ち物がある。こうした服装以外の持ち物にかんしては下記記事を参考に。

タイ旅行が初めての人は服装以上に確認しておくべきだ。