タイの屋台 VS 日本式コンビニ 生き残るのはどっち?表バトルと裏バトル

タイの屋台flickr

 

アジアで日本式コンビニの出店ラッシュ

日本で生活している人はもちろん、タイで生活している人にとってコンビニというのは欠かせない存在になっている。

コンビニは家庭内で作り食べるような内食とレストランで食べるような外食の中間にあり、調理されたものを家で食べる「中食」という新しい概念を定着させた。

現代人のライフスタイルにも入り込んでおり、減少傾向が続く日本の小売業界でも3割成長が続く将来的にも有望なビジネス業態である。

 

そんなコンビニだが、アジアでの出店ラッシュが止まらない。

セブンイレブンを例に取ると、日本での店舗数が2013年6月の時点で15504店に対して、タイではすでに半分に迫る7210店もある。

 

世界のセブンイレブンの店舗数http://www.sej.co.jp/company/tenpo.html

 

現地でも多くの支持を得て、日本以上に店舗数の成長速度が速い。

こうしたことも見据えてか、日本ではなく、アジア現地でコンビニオーナーになることを希望する人も多い。

 

コンビニ VS 屋台

そんな破竹の勢いで成長を続けるコンビニ業界であるが、一番のライバルは何と言っても現地の屋台である。

「未来世紀ジパング 日本式コンビニがアジアで革命」によると、ローソンの開店によって人通りが増えたため、屋台がローソンの目の前に出店、売上も以前よりも増えたとのことだ。

これはコンビニのお弁当価格が高いためコンビニでは食べ物を買わずに屋台で買い、コンビニには飲み物だけを買ってカフェテリアを利用している若者が多い事からもわかる(動画はインドネシアのコンビニだが、カフェテリア付のものがある)。

つまり、コンビニの集客力を利用して、屋台が客を横取りしてる状態である。

 

日本のコンビニは、価格では屋台に勝負できないため、おかずの数を増やしてバリエーションを持たせたり、日本食という付加価値を提供して差別化を図ろうとしているようだ。

このように表面上では穏やかなバトルが行われているが、裏でのバトルも行われていると容易に予想できる。

 

まず、屋台には衛生面での問題があり、近年中国ではその取締りが厳しくなっている。

衛生面にプラスして、人毛を使って醤油を作っていたり、下水から精製した「地溝油*」を屋台で使っていたりと多くの健康上の問題が表面化したからだ。

*工場などの排水溝や下水溝に溜まったクリーム状(あるいはスカム状)の油を濾過し、精製した安物の食用油脂。地溝油に含まれる最も危険な成分は発がん性物質のアフラトキシンであり、その毒性はヒ素の100倍にも及ぶ(wikiより)。屋台だけではなく、多くのレストランでも流通。

 

中国の河川flickr

 

一説によると、のちにパロディー(嘘)とわかる段ボール肉まんがそれに火をつけたとも言われている。

そして、タイの屋台食に関しても、様々な情報がマスコミによって報道されている。

 

例えば、これは日本の報道であるが「タイの食品が高温多湿でも腐らない理由」というものの2つ目の理由に注目してほしい。

 

腐らない理由はふたつある。

ひとつ目の理由は、タイの料理の特色にある。タイ料理は基本的に香辛料をふんだんに使用している。それら香辛料が腐食を抑えているのだ。確かに、われわれ日本人にも「辛いものは腐りにくい」というイメージがある。

ふたつ目の理由は、防腐剤(保存料)である。日本の料理にも少なからず入っている防腐剤。タイでは、日本で使用が許されていない強力な防腐剤があり、それらが食品の材料レベルから使用されているケースがある。

ロケットニュース「タイの食品が高温多湿でも腐らない理由」より

 

生活の質が上がるにつれ、市民の関心も高いこうした衛生面や健康面での問題が取り上げられることは当然である。

日本の屋台では「生ものは扱わない」「営業車内での調理加工は、小分け、盛り付け、加熱処理等の簡単なものに限る。営業車内で取り扱う食品は、あらかじめ包装されたものに限る。」など厳しく取締りがなされ許可が必要であるが、タイでもそのうち更なる規制をかける可能性が十分にあり得る。

 

ここまで言うと、裏のバトルというのが何かわかる人もいると思う。

中国で大きな社会問題になったこうした問題点を誰が流したか?この部分に注目してほしい。

あくまで憶測の段階を出ていないが、このような情報によって風評被害だけでなく、規制をかける法律ができれば直接的に損するのは屋台である。

得をするのは、屋台と競合する多くのお店だ。

 

つまり、日本式コンビニが屋台とのバトルに際して行うこと、それは

表上では、上でも触れた日本式コンビニが行っているような差別化によって、屋台から一部の顧客を掴むこと。

裏ではこうした屋台の問題点に関する情報を集め、それを社会問題を扱う行政機関やマスコミにリークし屋台に規制をかけるとだ。

 

タイの屋台と日本式コンビニという構図だけで見てみても、資金力等を含めた影響力からして、どちらが有利なのかは明らかで、まともに戦えば必ず日本式コンビニが勝利することは目に見えている。

実際屋台の問題点が本当ならば日本式コンビニによる屋台への規制が「正義」になるのは誰もが納得のいく事であろう。

 

しかし、自分が1つ主張しておきたいのは、安くて美味しいまともな屋台というのが数多く存在しているというのも事実であるということである。

屋台と言えど、屋台間で競争の上に勝ち残ったものなわけで、何もズルばかりをして商売を続けてきた人ばかりのわけではないのだ。

中国の地溝油や人毛醤油もごく一部の屋台関係者や店が行っていたことで、多くの健全な屋台も存在している。

こうした屋台までもが不当な制限を加えられるのはあまりにも可哀相だと思う。

 

自分はタイの屋台を始めアジアを放浪した時にはとてもお世話になった。

安くて、美味しくて、お金の無かった自分にとっては欠かせない存在だったのである。

 

タイの屋台2flickr

 

多少の規制は免れないし妥当な事だとは思う。

ただ、一部のルール違反のせいで、全体に過度な制限を加えるような、独裁国家のようなやり方はタイを始めとするアジア各国では行ってほしくない。

生き残りの競争は必然的に起こることではあるが、双方ともに健全なやり方で競争してくれればいいと思っている。

コメント

  1. アバターsandwich plus より:

    レストランとまでは行かなくとも、街の止まり木的な存在で、老若男女だれでも憩うことができる場所といえば・・・英国であればパブ。フランスやイタリアなどのラテンの国であればカフェ。中国や東南アジアでは屋台だと思う。

    日本ではどうだろうか?と外国人に聞いてみたことがある。 

    「コンビニエンスストア」「自動販売機」といった答えが返ってきた。
    どちらも街のいたる所にあるが、実用優先という感じで、こと他者とのコミュニケーションとなるとお粗末なものである。
    自販機については、電子音の客引きが無機質で不気味であるが、それが日本的ではある。

    アジア諸国に日本式コンビニが広がるのは悪くはないが、アジア式屋台がなくなることはご免である。
    屋台もアジア旅行の醍醐味と思うのだ。

    • 付利意雷布付利意雷布 より:

      コメントありがとうございます。
      ごもっともな意見だと思います。
      自分には欠けていた認識でした。

      その知識を前提にして、記事の方少し修正したいぐらいですね。
      とても参考になるコメントありがとうございました。