タイの洪水(2011年、2013年)とアマタナコーン工業団地。洪水が起こりやすい原因。

Flooding in the temple
タイの寺院も洪水で水浸しになった2011年の洪水 flickr

 

タイで経済活動を行う人にとっては、その経済的なリスクについても考えていかなければならない。タイの場合、タクシン派と反タクシン派による対立のような政治的なリスクもあるが、自然災害である洪水という問題が経済的にはもっとも深刻な問題である

洪水は間違いなくタイの成長を妨げている要因になっている。

 

タイの洪水 2011年

そんなタイの洪水であるが、2011年のものはチャオプラヤー川流域で甚大な被害を出し、メコン川周辺でも洪水が発生した。この時は2011年7月から始まり3ヵ月以上続いた。

死亡者数・影響を受けた人の数と被害総額は

2011年11月5日の時点で446人が死亡し230万人が影響を受け、被害総額は1567億バーツ(4000億円)と想定されている。

http://www.nytimes.com/2011/10/22/world/asia/bangkok-opens-floodgates-as-government-response-is-criticized.html?_r=2&partner=rss&emc=rss&より

2年前PCパーツが値上がりしたというニュースを覚えている人も多いと思う。タイは世界シェア30%に及ぶ第2位のHDD生産国であり、とりわけPCメーカーに大きな影響を与え、HDDの高騰に繋がった。

 

世界で起こった自然災害の被害総額では歴代4位とされている。ちなみに、1、2位は日本で起こった大震災(東日本大震災、阪神大震災)だ。

世界銀行の推計では、自然災害による経済損失額の大きさでは、東日本大震災、阪神大震災、ハリケーン・カトリーナに次ぐ史上4位としている。

https://www.accuweather.com/en/weather-news/top-5-most-expensive-natural-d/47459

 

タイの洪水 2013年

2年前のタイの大洪水を経験して、政府はその対策を十分にしてきたと主張していたが、残念ながら今年もそのニュースが飛び込んできた。

今年は9月18日あたりからタイで洪水被害のニュースが確認された。

■2013年洪水被害発生から1週間の状況ダイジェスト

9/18:タイ中部アユタヤで洪水
9/23:タイで洪水拡大 国道27カ所浸水、タイ北部で貨車脱線・洪水で運休も
9/24:大雨洪水被害、下流地域に拡大の恐れ、洪水で60万人が被災

http://bangkerquote.com/search/?q=%E3%82%BF%E3%82%A4+%E6%B4%AA%E6%B0%B4より

 

アマタナコーン工業団地

そういったニュースの中でもショックだったのが、アマタナコーン工業団地でも洪水が起こってしまったということである。

タイ工業団地大手アマタは21日、東部チョンブリ県のアマタナコーン工業団地内の工場17カ所が同日、団地内外の道路の洪水で操業を停止したことを明らかにした。洪水が発生しているのは団地内のフェーズ7区域などで、水深は数十センチ。アマタナコーンは600社以上が操業するタイ最大規模の工業団地で、入居企業の約6割が日系。
アマタナコーン工業団地で洪水続く 17工場が一時操業停止(2013年10月21日)
http://www.newsclip.be/article/2013/10/21/19454.html

アマタナコーン工業団地と言えば、以前未来世紀ジパングの「東京都バンコク区」の回でも取り上げられたとおり、その工業団地を経営する企業のCEOビクロム氏が「洪水は起こらない」と断言した地域だった。そんな工業団地にも洪水被害が出てしまったということは、タイには今後も洪水の被害は付きまとうという印象を大きく与えてしまったと思う。

Flood of Amata Nakorn
アマタナコーンにおける洪水 flickr

 

アマタナコーン工業団地の地図

アマタナコーン工業団地は場所としてはタイ国チョンブリー県に位置している。


(右上の枠の記号(Full Screen)をクリックして拡大で表示すると見やすくなる)

上記地図でみるとわかると思うが、位置的にはバンコクとパタヤの中間辺りに位置している。バンコクからパタヤ行のバスへ乗ると、毎回アマタナコーン周辺を通って向かう。時間的にはバンコクから1時間程度である。

タクシーでもそこまで値段はかからないと思うので(1000バーツ程度が目安)、慣れてないうちはタクシーで向かうというのが無難だと思う。

 

 

タイで洪水が起こる原因

元々タイでは、様々な地域で季節的に激しい鉄砲水*が起こりがちであった。鉄砲水はタイ北部から始まり、チャオプラヤー川を通って下流のタイ中部の平野に広がる。

*鉄砲水:主に、水源地付近の集中豪雨や、ダムなどの放水によって一気に流れ出すことによって発生する。地形の険しい山間部で起こることが多い。(wikiより)

 

Chao Phraya and bangkok maphttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%A4%E3%83%BC%E5%B7%9D

 

タイの首都バンコクはチャオプラヤー川の河口部に位置し洪水になりがちな場所であったが、2001年に始まった排水トンネルシステムなど、頻発する洪水を防ぐため排水路の整備に多くの予算を費やした。その結果バンコクでは小規模な洪水があったのみであり、洪水対策はある程度の成功を収めたと考えられていた。しかし、それ以降も、2011年と今年2013年をはじめ、バンコク以外の他の地域が主に洪水の被害を受けている。経済的なリスクの多い地域を中心に排水制御システムの整備は急がれているが、まだまだ不十分な地域も多い。

 

チャイナリスクの回避先として日本企業にとっても魅力的なタイという場所。2011年の洪水の時は同年12月23日にスクムパン氏(バンコク知事)が、最後まで水が残っていたバンケン区で22日に排水作業を完了したとし、バンコク都内のほぼ全域で水が引いたとして洪水の終息を宣言した。しかし、2013年度の今回の洪水では現在進行形で洪水に悩まされており、今日もニュースの紙面上をにぎわせている。

現状は起こっているものの解決が急がれるが、今後もタイで洪水が起こらないようにするために、真っ先に対策を取らなければならないタイの問題の1つであると言えるだろう。

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