日本ユニセフ協会が批判される理由と今後求められること。

ニューヨークのユニセフ本部
ニューヨークのユニセフ本部 flickr

 

最近日本ユニセフ協会に関する話題がネット上で良く見られる。

日本ユニセフ協会の話題は、このブログのテーマとは合わないが、ネット上にあるどの記事を見ても核心にきちんと触れていないようなので、今回は自分なりの意見を述べて行きたいと思う。

 

Googleアドセンスで寄付金を集める日本ユニセフ

日本ユニセフはGoogleにいくら払っているんだろう?
http://blogs.bizmakoto.jp/fukuyuki/entry/17020.html

こんな記事を先日目にした。

この記事によると

「ユニセフ」とGoogle検索すると、SEOで「日本ユニセフ」が一位です。リスティング広告でも一番上にでてきます。

英語で「unicef」と検索しても、SEOで「日本ユニセフ」が一位です。リスティング広告でも一番上にでてきます。そりゃそうですね。

「unicef USA」と検索しても、「日本ユニセフ」が、リスティング広告で一番上にでてきます。

「赤十字 募金」と検索しても、「日本ユニセフ」がリスティング広告で一番上にでてきます。ちなみに赤十字のリスティング広告は出てきませんでした。

「寄付」だけでも「日本ユニセフ」がリスティング広告でトップです。

しまいには、「フィリピン」だけで検索しても、リスティング広告2番目に「日本ユニセフ」です。

*フィリピンは先日の台風で莫大な被害が出ました。

 

要は、様々なキーワードで広告を購入し、寄付を集めているという事だ。

最後にこの記事の著者は

Googleにお金を払って、募金が集まって、こまった人が助かるのならいいですので、悪いことだとは思いません。

モヤモヤします。

どういった形であれ、募金は有効に活用していただきたいです。

と締めている。

 

募金は有効に活用していただきたいです。

この発言が著者のもっとも言いたい事だろう。

 

そう考えると、また別の話題の記事日本ユニセフの検索広告を叩いている人、「Google Ad Grants」を知っていますか?は的を得ていない。

Googleは非営利団体向けに「Google Ad Grants」という、無償の広告枠を提供しています。順当に考えれば、日本ユニセフ協会の広告はこの枠を使って広告を出していると思われます。

もし日本ユニセフ協会が上記制度を使って、広告費をかけずに募金活動をしているとしたら、下記の理由から余計に批判されることになるだろう。

 

寄付金の使い道とユニセフを「利用」する人々

日本ユニセフ協会が募金で集めた募金のうち約80%が本部拠出金として国連職員が運営するユニセフ本部に送られるが、約20%が日本ユニセフ協会の活動資金になる。2013年の実績で言うと、この20%の活動資金というのは27億円以上になる。

http://www.unicef.or.jp/about_unicef/pdf/syusi_yosan2013.pdf

日本ユニセフ協会に関して批判的な意見はこの27億円に及ぶ活動資金についてに集中している。

 

日本ユニセフ協会の本部は東京都港区高輪にある。高輪がどのような土地かとう言うのは、関東に住んでる人のほとんどが知っていると思うが、高輪周辺は「シロガネーゼ」と呼ばれる人々が住んでいる東京でも有数の一等地である。

何がすごいって、自分的には、この地区のファミレスはアルバイトでも時給1200円を超える点だ。もちろん、このユニセフハウスと呼ばれる建物や敷地についても上記活動資金から捻出されている。

多くの人がこうした活動資金の使い方に疑問を呈しているのも納得できるだろう。

 

日本ユニセフ 職員の給与

日本ユニセフ協会を無条件に肯定する人の多くが、職員のほとんどが給与をもらわずボランティアで活動しているという点を強調し、その正当性というか善意を取り上げることがある。

ただ、日本ユニセフ協会の2013年度収支予算書を見ると

事業費(直接的な人件費関連)

国際協力研修事業費
・役員報酬 14.2万円
・給料手当 238.4万円
・福利厚生費 45.2万円
・退職給付費用 14.2万円

啓発宣伝事業費
・職員研修費 200万円
・役員報酬 305.2万円
・給料手当 5963.9万円
・福利厚生費 963.3万円
・退職給付費用 284.2万円

啓発宣伝地域普及事業費
・役員報酬 28.3万円
・給料手当 507.6万円
・福利厚生費 88.8万円
・退職給付費用 28.4万円

募金活動事業費
・職員研修費 150万円
・役員報酬 1221.3万円
・給料手当 2億1572.6万円
・福利厚生費 4006.3万円
・退職給付費用 1233.3万円

グリーティングカード募金事業費
・役員報酬 231.9万円
・給料手当 5504.4万円
・福利厚生費 717.6万円
・退職給付費用 253.7万円

管理費
・役員報酬 47万円
・給料手当 327.3万円
・福利厚生費 43.3万円
・退職給付費用 13.7万円

 

日本ユニセフ協会職員は66名で、それに対し給与手当だけでも3億3787万円、一人当たり年間512万円をもらっている計算になる

 

また、活動資金の27億円のうち、学者の研究活動費として使われているであろう費用も多々ある。もちろん、ユニセフの基本理念に賛同して、善意で活動している人がほとんどだと思うが、学者には自分の評価を高めたいと思っている人は多い。表上は善意での活動も、学術的な発表を通して出世や名誉のために利用してる可能性は否定できない。

 

他には、ネット上で叩かれる事の多いアグネス・チャン氏。彼女は日本ユニセフ協会大使を務め、日本ユニセフ協会関連の活動を無償で行っている。海外レポートなど国内外のマスメディアが大いに注目しそうな活動を行っており、この活動を通してメディアに一定の露出をキープしている。

無償での活動と言えば聞こえはいいが、実は、この活動を通して自分の営利活動につなげることも出来る。なぜなら、ユニセフで無償で活動してるとわかれば好感度も上がるし、メディアへの露出が続けば、タレント活動に有利で、テレビや雑誌、CMの話も来るからだ。アグネス本人はともかく、アグネス氏の所属している事務所は営利活動をしており、この点は少なからず意識しているはずだ。

 

ちなみに、アグネス・チャンに対しては、先日2ちゃんねるの元管理人西村博之氏が自身のブログで公開質問をしている。

アグネス・チャンさんへの公開質問状
http://hiro.asks.jp/

 

ユニセフ本部への拠出金

ユニセフの活動
flickr

 

ここまでの話だと、日本ユニセフ協会の批判ばかりに目が行きがちであるが、実績として2013年で145億円の寄付金をユニセフ本部へ計上しているというのも事実である。

その実績は凄いと思うし

これは、世界36の先進国・地域においてユニセフを代表するユニセフ協会(国内委員会)の中で、最高額となっています。また、81%という拠出率も極めて高いレベルを維持しています。
http://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_report.html

という事実もある。

 

日本ユニセフ協会に求められていること

話を戻そう。

日本ユニセフ協会が批判される理由は

無償の広告枠を使い数々のキーワードで露出することによる資金集めも行い、慈善事業を強調しながらも一等地に本部を構え、職員はそれなりの報酬をもらってたり、無償で働いているとされるボランティアも自分の出世やユニセフ以外の営利活動にユニセフの資金を利用している。

このような点が表に出て来て注目され始めたからだと思う。

もちろん、職員・ユニセフ関係者にも生活があるので、無給で活動を続けることは出来ない。これはユニセフ本部も同じだ。

 

現状のネットに広がる悪いイメージを払しょくするため、それを超えるプロモーションをかけたとしても、ネット社会が発達した現代では正直覆すのは至難の業である。結局は活動の透明性を高め、裏表のない活動を行っていき、賛同を得られた人からの寄付で活動していくというのが今後も継続して日本ユニセフ協会の理念を広げるために必要なことになるだろう。

 

【追記1 2013年11月18日13時5分】

Yahoo!ニュース内にてこの記事が取り上げられた。

日本ユニセフを批判する嫌儲思想http://bylines.news.yahoo.co.jp/ohmototakashi/20131118-00029891/

 

上記記事内では

日本ユニセフに対する批難の声がネットであがりだした。その一部を紹介する。

と題してこの記事に触れているが、自分の主張からは大きく外れているのであえて強調させていただく。

 

内容を読んだ方ならわかると思うが

もちろん、職員・ユニセフ関係者にも生活があるので、無給で活動を続けることは出来ない。

と記述している通り、無給での活動なんて自分も望んでいない。

あくまで、年間27億円という巨額な活動費を寄付でまかなっているのだから

活動の透明性を高め、裏表のない活動を行っていき、賛同を得られた人からの寄付で活動していくというのが今後も継続して日本ユニセフ協会の理念を広げるために必要なことになるだろう。

と言いたかったのである。

 

【追記2 2013年11月19日17時02分】

アクセスがまた急増したので何かと思ったら、今度はYahoo!ニューストップで自分の記事が引用されていた。

Yahoo!ニューストップの日本ユニセフ募金をめぐり激論
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131119-00000002-wordleaf-soci

 

あるブロガーは「日本ユニセフ協会が批判される理由と今後求められること。」という記事(11月17日)の中で、同協会が批判される理由をこうまとめている。

 

主なネット上の批判例としてあげているのに、引用元(URL)が表示されていなかった。それでも流入が増えたのは記事の題名や検索や上のYahoo!ニュースからの間接的な流入があったからである。

自分の記事を引用したのは「THE PAGE(http://thepage.jp/)」というニュース配信サイト。

 

今回引用元を表示せずに「あるブロガー」という言葉だけで片付けられたのは残念だ(というか、著作権・マナー的にどうなん?)。