日本円からタイバーツへ両替、及びバーツを手に入れるには、
1.タイの両替所、銀行での両替
2.タイにあるATMでカードによる引き出し
3.日本の銀行、空港、ブランド品を扱う店での両替
といった方法がある。
この中で、もっとも手数料が安くタイバーツへの両替出来るのはタイの「優良」両替所で両替する手段である。優良両替所なら市場レートよりも良いレートで両替出来ることも珍しくはない。これはタイにおいて日本円現物の需要が高いからだと考えられる。
タイの両替所は私設の両替所ではあるが、フィリピンや他の発展途上国のように、お金を余分に取られたり(両替詐欺)、偽札を掴まされるといったことは起きていない。もちろん、絶対に起きないとは言わないが、銀行といった公的機関と同様に安心して良いかと思う。
銀行での両替は、優良な両替所と比べ1%以上手数料が高くなるのが普通である。また、クレジットカードの場合はショッピングなら1.63%もしくは1.60%の為替手数料(市場レートよりも悪いカード会社の公式レートに為替手数料が加わる)、キャッシングならこれら手数料に加え、返済日までの金利も取られる。カード会社にもよるが、ATM手数料(200バーツ程度)が請求されることもある。
手数料を含めたレートは銀行、カード会社によっても異なるが、優良両替所のように、市場レートよりも良くなることはまず無い。クレジットカードが最もお得といい、クレジットカードを薦める人もいるが、実際に請求書でいくら請求されたか確認した方が良いだろう。
日本の銀行、空港、ブランド品を扱う店での両替は手数料が10%を超える。従って、日本でバーツへの両替をすることは最も避けなければならない。
この記事では
▶ タイのおすすめバーツ両替所
として、バンコク、パタヤ、チェンマイといったタイ主要都市における優良両替所及び空港から市内へ行くまでの両替や日本円を無くした場合の対処法を中心に
▶ カードによるATMからのバーツ引き出し
▶ 日本国内におけるタイ・バーツの両替レート
までを詳しく紹介していきたいと思う。
目次
タイのおすすめバーツ両替所
バンコクでのバーツ両替
両替所で両替する場合も0.5~8%程度まで手数料に差が出てしまうので、もっともレートが良い「優良」両替所をタイの首都バンコクから紹介していきたいと思う。
バンコクにおける優良両替所の地図。右上の枠の記号(拡大地図を表示)をクリックして拡大で表示すると見やすくなる。左上の矢印が付いた枠記号を押すと、主要スポットやおすすめホテル一覧も表示されます。
優良両替所の場所は上記地図を参考に。営業時間は夕方まで、休日は閉店している両替所もあるので注意してほしい。
アソーク・ナナの両替所
>>> ワスエクスチェンジ(VASU EXCHANGE)(地図上では茶色のチェック)
タニヤ・サラディーン(シーロム)の両替所
>>> タニヤスピリット(Thaniya Spirit)(地図上では水色のチェック)
サイアムの両替所
>>> サイアムエクスチェンジ(SIAM EXCHANGE)(地図上では藍色のチェック)
ラーチャダム・プラトゥーナムの両替所
>>> スーパーリッチ(SUPER RICH THAILAND)(地図上では緑色のチェック)
バンコクの中心地とも言えるスクンビットエリアでもっともお得な両替所はVASU EXCHANGE(ワス エクスチェンジ)である。BTSナナ駅から徒歩0分の位置にある。
また、日本の企業も多く、繁華街にも近いシーロムの両替所といえばタニヤスピリット(Thaniya Spirit)。こちらは夜遅く(22時頃)までやっているので非常に便利だ。BTSサラデーン駅、地下鉄シーロム駅から徒歩数分の位置にある。
おしゃれなデートスポットでもあり、MBKセンターなどショッピングエリアが並ぶサイアム近辺ではサイアムエクスチェンジ(SIAM EXCHANGE)がおすすめ。
海外のバイヤー行きつけであり、おしゃれなファッション雑貨、エスニック雑貨も売っているプラトゥーナムではスーパーリッチ(SUPER RICH THAILAND)がもっともレートが良い。BTS構内や市内に数多くの支店を持ち、営業時間も長い。ただ、便利な支店は少々レートが悪くなっている。
バンコク市内で両替するなら上記4つを知っておけば十分であり、バンコクへの旅行者なら上記いずれかのエリアには必ず寄ると思う。このトップ4であればそこまで大きなレートの差は無く、毎回0.5%以下、10000円両替しても50円以下の手数料で日本円からタイバーツへの両替が可能である。タイミングによっては市場レートよりも良いレートの場合もある。
営業日や営業時間、詳細な行き方は各両替所へのリンク先記事を参考にしてほしい。
1日の1番レートが良い両替所をランキング形式で表示するサイトもあるが、両替屋の最新レートは市場のレートの変化に応じて数時間単位で変更されている。加えて、ランキングのサイトは、前日のレートで更新が止まっている場合も多い。数時間反映されないだけで、レートはかなり異なるので、自分は両替所のサイトを直接見て本日のレートをチェックしている。最新レートを知りたい人は公式ページをみるのが一番正確である。
また、移動費が高ければレートが良くても意味が無いので、滞在エリアに一番近い両替所へ向かうようにしよう。もちろん、訪問場所へ行くついでに寄れる両替所でも良い。
公式の両替レートを表示したサイト
ワス
http://www.vasuexchange.com/
スーパーリッチ
https://www.superrichthailand.com
サイアムエクスチェンジ
http://www.siamexchange.co.th/index.php
タニヤスピリット
http://www.x-one.com/
タニヤスピリットと系列店。レート情報あり。夜間はレートが異なる場合もあるが、昼とそこまで大きな差はない。
更に詳しいバンコクの両替所情報を知りたい人は下記記事も参考に。

パタヤでのバーツ両替
パタヤにもいくつかの優良両替所があるが、支店も多く便利なのはTT・カーレンシー・エクスチェンジ(T.T. Currency Exchange)である。T.T. Currency Exchangeはパタヤの広い範囲で展開しているチェーン店になる。
両替手数料はバンコクの主要な両替屋と比べても大きな差は無く(日にもよるが若干悪い程度)、非常にレートは良い。空港からパタヤへ直接行く人は両替するためにバンコクへ寄る必要はないと言える。
パタヤのおすすめホテルと両替屋。右上の枠の記号(拡大地図を表示)をクリックして拡大で表示すると見やすくなる。左上の矢印が付いた枠記号を押すと、主要スポットやおすすめホテル一覧も表示されます。
上のグーグルマップで黄色の¥マークがTT・カーレンシー・エクスチェンジのある場所である。
パタヤの中心地でもあるビーチロードやセカンドロード、ソイブッカオなど主要なエリアにいくつかの店舗があるが、どこもレートは一緒である。ただし、深夜になるとレートが更新される(基本的にレートは悪くなる)。
更に詳しいパタヤの両替所情報を知りたい人は下記記事も参考に。

チェンマイでのバーツ両替
スーパー・エクスチェンジ(SUPER EXCHANGE)はチェンマイいちの繁華街であるロイ・クロー通り(Loi Kroh Road)にある両替所である。日にもよるが、チェンマイで最もレートが良くなる両替所の1つである。
バンコクで一番レートの良い両替所とも1万円あたり5バーツ(約17円)以内の差(バンコクの両替所の方が若干良い)で、チェンマイ旅行の際には覚えておいた方が良いだろう。
チェンマイでお得な優良両替所について更に詳しくは下記記事を参考に。

バンコクの空港でのバーツ両替
バンコク市内に出れば上記の両替所がもっともお得であるが、そもそもタイバーツを持っていなければ空港から市内への移動が出来ない。タイバーツを一銭も持っていない人は空港で両替しなければならないだろう。
スワンナプーム国際空港でもっともお得な両替
スワンナプーム国際空港でもっともお得な両替所は、地下1階のエアポートリンク入口横にある両替所である。スーパーリッチの出張所とバリュープラスという両替所が有名だ。これらの両替所は1%程度と市内にある優良両替所よりも少し悪いぐらいのレートで両替する事ができる。
スワンナプーム国際空港に着いてから、入国審査を終えて2階の到着ロビーを過ぎる間も多数の両替所があるが、手数料は10%近くかかるため非常に高い。旅行費用を節約したい人は空港では地下1階の両替所で両替するようにしよう。
地下1階エアポート・レール・リンク改札の横にある通路を真っ直ぐ進む(改札には入らない)。
エアポート・レール・リンク改札の横には同じく高レートな両替所・バリュープラスがある。
近くのスーパーリッチと為替レートは同じ事が多く、レートは合わせている。それでも両替時には周囲の両替所を含めてレートをチェックしてから両替するようにしよう。
スーパーリッチの営業時間は10:00~20:00まで、バリュープラスの営業時間は6:00~23:30になっている。
ちなみに、両替時にはIDのチェックをされることもある。パスポートの用意は予めしておこう。
ドンムアン空港等その他タイの空港での両替
ドンムアン空港の両替所はレートが統一されており、どこの両替所も市場レートに比べて4.5%ほど悪くなっている。
市内の優良両替所と比べると4%以上レートは悪くなる。クレジットカードによるキャッシングの方が手数料は安い。
クレジットカードを持たない場合は市内への移動の際使う分(500~1000バーツ程度)だけ空港の両替所で両替すれば良いだろう。
日本円からタイバーツに両替する際の注意点
両替レートの確認と両替方法
両替所の前などに表示されるボードには「BUY」と「SALE」の文字と数字が表示されている。
日本円からタイバーツへ両替する場合、このBUYの部分、通常は左側の数字を見ることになる。上の画像で言うと、日本国旗とJPY(日本円)の右側に表示された緑数字で0.2960が1円で交換できるバーツの額である。つまり、1万円渡せば0.2960✕10000=2960、2960バーツ受け取ることが出来る。一番右の赤数字が1円を交換する際に必要なバーツの額である。つまり、2985バーツ渡せば1万円を貰えることになる。
基本的に日本円からタイバーツへの両替が多いかと思うので、BUYの文字が大きい店ほどレートが良い(手数料が安い)と覚えておけば良いだろう。
また、両替は紙幣にしか対応していないのが普通だ。従って、日本円での両替は1000円札以上を出さなければならない。
両替時、日本円を渡すと、何も聞かず、渡した分の日本円を全てタイバーツにしてくれる店が殆どである。ただ、向こうからどの通貨に両替するかを確認をされる場合もある。「オール タイバーツ(全額タイバーツに)」などと、ほしい通貨と額を言いながら日本円を渡した方がより親切だろう。
新札しか両替を受付けてくれない
1万円を大量に銀行からおろすと、まれにキラキラ光っている銀のシールが張られていない旧札が紛れ込んでいることがある。この旧札は両替所によっては受け取りを拒否されることがある。きちんと、予算分の金額を用意したい場合、1万円にこうした旧札が紛れ込んでいないことを確認した方が良いだろう。
カードによるATMからのバーツ引き出し
タイでの両替方法としては、クレジットカードやデビットカード、その他キャッシュカードによりタイバーツを引き出す方法もある。
日本で発行したクレジットカードでも、VISAやMasterCardといった国際ブランドなら世界各国の現地ATMでキャッシング機能を利用することができる。クレジットカードの申し込みの際、ショッピング枠の他にキャッシング枠を追加しておけば、この枠の範囲内(日本円換算額内)で現地通貨を引き出すことができる。
キャッシング枠(キャッシングできる最大額)はショッピング枠の中に設定されている。キャッシング枠はもちろん、ショッピング枠を使い切っていると、現地で現金の引き出しができない。キャッシング枠がいくら残っているかは確認しておくべきだ。
クレジットカードのキャッシング機能を使い現地通貨を降ろす場合にかかる手数料としては
1.ATM手数料
2.金利
がある。加えて
3.為替レート
もカード会社のレートが適用される。為替レートはタイミングにもよるが、市場レートよりも若干悪いことが多い。ショッピングと同様に、ブランドごとの基準レートが適用される。
おすすめのクレジットカードを含め、クレジットカードの手数料について更に詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

金利がかかり、為替レートも若干悪いため、タイでは優良両替所のように市場レートより良いレートで両替することはできない。しかし、クレジットカードを含む現地通貨の降ろせるカードはタイ旅行時には必ず持参すべきである。なぜなら、カードからキャッシュを得る方法は現金を盗難・紛失したり、手持ちの資金が不足した場合に役に立つからだ。特に現金を盗難・紛失し、代替手段を持たない場合、現地に知り合いもいなければ日本大使館へ駆け込むことになる。しかし、その際も基本的には電話しか貸してもらえず、「家族等に電話して海外送金してもらって下さい」と言われる。公金のため手続が非常に面倒な上に必ず借りれるとも限らない。最低でもホテルにこうしたキャッシングのできるカードを置いておけば、現金紛失の際も他人に迷惑をかける事無く迅速にトラブルに対処することが出来るだろう。手持ちの現金だけで、こうした保険的な現金を得る手段を持っておかないと、トラブル時は非常に面倒になるのは間違いない。自分は大丈夫と油断している人も多いが、こうした保険は必ず用意しておこう。
デビットカード、その他キャッシュカードによりタイバーツ現金を引き出す方法として適用される為替レートが安いカードもある。しかし、ATM手数料は請求されるため、一度に200バーツ(約680円)程度はクレジットカードよりも余計にかかる。1万円など少額になると、この請求されるATM手数料は大きな負担になるだろう。
こうしたキャッシング専用のクレジットカードに加え、海外旅行保険が自動で付帯されているものも作成しておけば、病気や事故などのトラブルがあっても安心だろう。こうした自動付帯のクレジットカードとしておすすめなのは下記クレジットカードである。
国内外の空港ラウンジを利用できるプライオリティパス・プレステージ会員への無料登録が特典に付いている。ただし、年会費はかかる。
年会費無料のクレジットカードで海外旅行保険が自動付帯のものや、クレジットカードに付帯する海外旅行保険の使い方については下記記事を参考に。

クレジットカードを作ることが出来ない無職やフリーター、自営業の人の場合、為替両替の出来るキャッシュカードを作っておけば良いだろう。
ただし、上でも述べたように、こちらのキャッシュカードではATM手数料がかかる。普段は使わず持参するだけで、現金を紛失した場合など、いざという時のための代替手段で持っておけば良いだろう。
日本国内におけるタイ・バーツの両替レート
日本での両替は一般的にレートが非常に悪い。銀行や空港でも、10%以上の手数料を取られるのが普通となっている。1万円の両替で1000円以上の手数料を取られる計算になる。
日本円を持っていれば、タイなら現地でも両替できる。1万円以上の両替をするなら、現地へ行ってからの方が良いだろう。
下記で銀行や空港、中古ブランド品販売店における手数料を紹介する。
日本の銀行でバーツへの両替
日本国内でもバーツへの両替が可能な銀行の支店がある(三菱UFJ,三井住友、みずほの大規模支店等)。ただし、12~14%程度の手数料がかかる。
日本の空港でバーツへの両替
成田や羽田、関空など日本の空港にある両替所で両替する場合も12~14%程度の手数料がかかる。羽田空港の出発階にあるみずほ銀行の外貨両替ショップはそれらよりもレートが良かった。
大黒屋・トラベレックスでバーツへの両替
中古のブランド品を扱う大黒屋、トラベレックスで両替する場合も12~14%程度の手数料がかかる。
日本の銀行、空港、ブランド品を扱う店はどこも手数料で10%を超える。つまり、10万円両替すれば1万円以上の手数料を取られることになる。これではどんなにお金持ちでも手数料を気にせずに入られないだろう。両替で損しないためには、日本ではバーツを両替をするのは避けるべきである。
円からバーツへの両替のまとめ
上記の通り、お得なバーツへの両替方法はタイの市内にある優良な両替所でのバーツの両替で、この場合手数料が0.5%以下、タイミングによってはプラスという他の国では考えられない高レートになる。
空港から市内へ行くための移動費を持っていなければ、少量の額を空港で両替(両替所もしくはキャッシング)し、残りは市内の優良両替所で両替した方が良いだろう。
また、現金を無くした時の保険としてキャッシング手数料の安いクレジットカードもしくは為替両替専用のキャッシュカードは必ず作っておこう。さもなければ、トラブルが起こった時、事態が更に面倒になる可能性が高い。

外国でお金を持たないというのは、日本以上に大きな問題を生じさせる。両替の手数料にかんして、今まで全く気にしていなかったという人はいないと思う。だが、損したくなければ古くなっていた情報は更新しておくべきである。
両替での手数料だけでなく、サービスは全く同じでも価格は安くする方法など、タイ旅行へ格安で行く方法に関しては下記記事を参考に。

タイ旅行で損したくない人はこちらの記事も要チェックである。